クローズアップ−カイヨウジパング
高知初の三冠馬(といっても、三冠体系ができて今年で2年目だが)。それに加え、4歳限定のRKC杯も制しながら、名古屋、金沢、中止の盛岡、水沢と、4度も遠征したのは賞賛に値する。
輸送はまったく問題ない馬だと、土居調教師も、北野騎手も口を揃えていた。
今回も、前走の黒潮菊花賞とまったく同じ459キロ。少し離れた最後方を追走。3コーナーで仕掛け、直線も伸びた。もう少しで掲示板だったが、5着のハカタビッグワンとは1馬身差の6着。勝ち馬とは0.7秒差。
「最後方からでスムーズな競馬ができた。3コーナーでは手応えがあったけど、4コーナーでちょっと外を回っちゃったから。5着は欲しかったんだけどね」(北野)。
これで遠征した4歳の交流レースで、8着(名古屋優駿)、4着(サラブレッドチャレンジカップ)、6着(ダービーグランプリ)という成績。
数字だけ見れば、やや不満かもしれないけど、今回はこれだけ遠征して、全国レベルで勝負になったんだからいいんじゃないか? 今まで高知でこれだけ全国に出ていけた馬なんてのはいなかったんだから。そもそも新馬としてジェイドロバリーの仔が高知に入厩してきたってことだけでもスゴイ。
また来年もどんどん遠征してください、と言うと、
「んー、強い馬と巡りあえればね」(北野)と、とっても謙虚だ。
そりゃそうだ。ただ無責任に見てるほうとすれば、これだけ遠征できたのを一度見てしまうと、それが当たり前のように思い込んでしまう。でも、やっぱり当事者とすればとっても大変なことなのだろう。現実問題として、お金もかかるわけだし。
海外遠征だって同じ。日本馬は、今年いきなり海外の国際グレードレースを3つも勝っちゃって。見てるほうとすれば、もうこれからは勝って当たり前だと思っちゃうわけだ。これから海外にはじめて遠征しようとしてる調教師さんなんかはたいへんだよね。そういうプレッシャーがかかるわけだから。
話が飛躍してしまったけど、カイヨウジパングの話だった。
次は新春杯(1月3日)ですかね?
「うーん。これだけ輸送したからね。様子を見て、使うかはわからない」(北野)。
あー、また見てるほうの希望的観測と興味だけで、何も考えずに聞いてしまった。そんな12月の半ばにこんな長距離輸送で競馬をしといて、正月に2400メートルの古馬とのレースを使えるわけないじゃないか。ちょっと考えればわかりそうなものを。反省。
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