1999年7月11日 益田競馬場
アラA級 ダート2200m


第50回日本海特別


 馬のレベルということでは、もちろん決して高くはないのだけれど、競馬がおもしろいなぁ、益田は。
 その理由のひとつが、今若い騎手がどんどん台頭してること。
 ここ数年、リーディングだった沖野耕二の上にいるのが、同じ厩舎所属の弟弟子、荒美年政21歳(写真→)。
 5月に会ったときは「そのうち沖野さんに抜かれますよ」とか言ってたのに、いまだにちゃんと差をつけてトップにいるし。このままリーディングとってくれたら、いいのになぁ。NARグランプリの表彰式にでも来た日には、ぜひともかわいがってあげよう。むはは。
 しかし、荒美。わたしが馬券を買うと、ぜんぜん勝ってくれないし…。

 で、日本海特別。1番人気のシリウスファイターの騎手は、4月にデビューしたばかりの御神本訓史(みかもとのりふみ)17歳。益田ではうまいと評判で、すでにリーディングも4位。たしかに最近の若い騎手らしく、騎乗フォームがとってもきれい。馬のほうは5月24日の招待レースで竹見さんが乗って逃げ切った馬。
 2周目2コーナーからそのシリウスファイターが単独先頭で、3コーナーでは2番人気の荒美キャプテンシーが内から並びかけた。単独先頭にいたのに、内からマクられるなよ>御神本。 まだまだこのへんの甘いところが新人らしい。
 で、2頭の一騎討ち。直線で、一旦は荒美が出たように見えて、勝ったかと思ったけれど、結局ゴールではシリウスファイターが1馬身前に出ていた。
 買ってた馬券は当然、連単で逆の1点。心情だからこれはしょうがない。

 「相手はキャプテンシーだけだと思って乗りました。3コーナーでキャプテンシーに並ばれたとき、やっぱり負けたかなと思ったけど、4コーナーでもう一度ハミをとってくれて、勝てるかなと思いました」(御神本訓史)
 「馬と喧嘩をしないで、この馬のペースで馬が走りたいように行ってくれればと思っていました。3コーナーでキャプテンシーに内から並ばれたときはどうかと思いましたが、残り70メートルのあたりで勝ったかなと思いました」(御神本師)

 御神本調教師と話していたら、横にいた馬主さんがいろいろおもしろい話をしてくれた。熊本で医者をやってるという人で、これがとってもイケてるおっさんだった。熊久保さんみないな人で、馬の力にあわせて地方競馬のいろんなところに転厩させて賞金を稼ぐ。このシリウスファイターも、兵庫→岩手→佐賀→岩手→荒尾→中津→益田と転厩を繰り返し、6000万円も稼いだという。
 「8歳のときに佐賀でも鮫島でアラブ王冠賞を勝ったやないかい。あんた覚えとらんのかい」とか言われたけど、さすがにそこまで覚えてません。シリウスファイターは九州で種牡馬にするという。
 いろいろ話をして盛り上がり、「よっしゃ、わしが送ってやろう」ということで、帰りは石見空港まで車で送ってもらった。
 こういう気風のイイおっさんが、レベルのそれほど高くない地方競馬を盛り上げてるんだよなと思った次第。ぜひまたお会いして、いろいろ話を聞きたいもんです。


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