1999年6月2日 新潟競馬場
サラ4歳以上 ダート1800m


第21回東北サラブレッド大賞典


 「メイセイオペラが出てきてくれないと…」という声もあったけど、ここに出てこられたんではシアンモア記念と同じように、勝負としての興味がなくなる。
 そういう意味では、もはやメイセイオペラってのは、地方競馬の中で別格なんではないだろうか。

 今回の興味は、新進気鋭(といっても6歳だし、もともと中央2戦0勝だし…)のチェイスチェイスがほんとのところはどんなもんだか、というところ。
 ディフェンディング・チャンピオンのロバリーハートは、順調でないと聞いていたが、やっぱりパドックでは覇気がなかった。
 そういうわけで、5番手を進んだチェイスチェイスが、唯一直線で追いすがったバンチャンプを振り切って期待にこたえてくれた。着差は1馬身だけれども、それは関係ない。今回は勝ったことだけが重要。

 「5番手の好位につけられて、ペースが遅かったので、レースは楽に進められました。4コーナーあたりでは、前の馬には勝ったと思いましたが、あとは後ろから来る馬が気になりました。馬がどんどん成長せいているので、これからが楽しみです」(向山牧)

 「わたしのところから出走するのはこれがはじめてですが、馬はどんどん良くなってますよね。大きく見せる馬だし。5番手から理想的な流れで、4コーナーで外に出せるかどうかと思ったんですけど、うまく外に出してくれたんでね。帝王賞は、もし繰り上がりになれば、是非とも出走したいところですね」(津野師)

 それにしてもエビスヤマト。高崎の開設記念だとか群馬記念だとかを見てると、もっと強そうな気がするけれども、なぜか地元ではあんまり人気にならないし、今回もその人気どおりのレースぶり。
 そもそも、あのペースで最後方からじゃ、いくらなんでも届かないわな。

 そのエビスヤマトが遠慮してくれたおかげで、どうやらチェイスチェイスが帝王賞に繰り上がったらしい。
 いきなりあのメンバーでは苦しいだろうけれども、これで楽しみが増えた。

 亡くなった向山先生は天国から見てくれているのだろうか。


カクチ探偵トップページへ